大切な思い出を丁寧に手放す方法

身の回りの整理を考えたとき、「これだけは捨てられない」と感じるものに出会うことはありませんか?
人形やぬいぐるみ、故人が大切にしていた愛用品、長年使われていた生活道具。
見た目は小さな品でも、そこに宿る“想い”の深さに、処分に踏み出せない方は少なくありません。
そんなとき、心の整理とともに品物を見送る方法として選ばれているのが「お焚き上げ」です。
この記事では、お焚き上げと遺品整理の関係や、供養からはじまるやさしい整理の進め方について解説します。
■ お焚き上げとは? 思い出の品を「供養する」という選択
お焚き上げとは、思いのこもった品々を神仏の前で焼納(しょうのう)し、
感謝の気持ちとともにお見送りする、日本に古くから伝わる供養の方法です。
人形供養をはじめ、お守り・写真・手紙・衣類・故人の遺品など、
「ただ捨てるには忍びないもの」を心を込めて見送るために、多くの方に選ばれています。
特に、顔のあるもの(人形・ぬいぐるみなど)は魂が宿ると考えられ、
丁寧な取り扱いが求められる風習があります。
■ なぜ今、お焚き上げが注目されているのか?
近年、少子高齢化や核家族化が進む中で、「遺品整理」や「生前整理」に対する関心が高まっています。
その中で増えているのが、“気持ちの整理がつかず、なかなか片付けられない”というご相談です。
特に以下のような声をよく耳にします
-
「母が大切にしていた雛人形をどうするか迷っている」
-
「故人の趣味の品が多く、捨ててしまうのは気が引ける」
-
「遺品整理の途中で、思いがけず手が止まってしまった」
こうしたお悩みに寄り添う選択肢として、お焚き上げは心強い味方です。
“感謝と共に見送る”という行為が、前に進むきっかけになることも多いのです。
■ お焚き上げから始める、段階的な遺品整理のすすめ
遺品整理というと「一気に片付ける大仕事」というイメージがありますが、
本来はもっと時間をかけて丁寧に進めるものです。
その第一歩としておすすめなのが、まず一つの品から手放してみることです。
-
長年飾っていた人形を供養に出してみる
-
衣類の中でも、思い入れのある一点をお焚き上げにする
-
故人の仏具や位牌の扱いについて相談してみる
この「一つを見送る」という行為が、
その後の片付け全体において大きな安心感をもたらしてくれます。
■ お焚き上げと遺品整理を同時に進めるメリット
実際の現場では、お焚き上げと遺品整理を同時に進めることで、以下のような利点があります。
1. 感情的な負担が軽くなる
物に宿った想いを供養することで、心に区切りが生まれます。
2. 判断基準が明確になる
「供養するもの」と「譲るもの」「整理するもの」を区分けしやすくなります。
3. 家族間の話し合いがしやすくなる
供養の意義を共有することで、家族の納得を得やすくなります。
■ まとめ
遺品整理とは、故人の持ち物を「片付ける」作業ではありません。
それは、人生と向き合う感謝の時間であり、残されたご家族にとっても、心の整理をする大切なプロセスです。
お焚き上げを通して、たった一つの品を見送ることから、優しい整理の第一歩が始まります。
「捨てられないものがある」
「どこから始めたら良いか分からない」
そんなときは、市民遺品整理組合に相談してみてはいかがでしょうか?
遺品整理を依頼してくれた方はお仏壇やひな人形といったお焚き上げ品を無料でお引き取りさせて頂いていますので、ぜひご相談ください。